一陸技|無線工学B|過去問
令和2年1月期 A-12
要点(wavelane の要約): 携帯機の導体のきょう体の上に立てた素子について、長さが1/4・3/8・1/2波長のときの放射パターンの受けやすい影響、きょう体に流れる電流、給電点インピーダンス、50Ω系との整合の取りやすさを比べ、電流の大小を逆に書いた記述を選ばせる問題。
原文(公式問題文)
A-12 次の記述は、図に示すように移動体通信に用いられる携帯機のきょう体の上に外付けされたモノポールアンテナ(ユニポールアンテナ)について述べたものである。このうち誤っているものを下の番号から選べ。 1 携帯機のきょう体の上に外付けされたモノポールアンテナは、一般にその長さ h によってアンテナの特性が変化する。 2 長さ h が 1/2 波長のモノポールアンテナは、1/4 波長のモノポールアンテナと比較したとき、放射パターンがきょう体の大きさやきょう体に近接する手などの影響を受けにくい。 3 長さ h が 1/2 波長のモノポールアンテナは、1/4 波長のモノポールアンテナと比較したとき、携帯機のきょう体に流れる高周波電流が大きい。 4 長さ h が 1/2 波長のモノポールアンテナは、1/4 波長のモノポールアンテナと比較したとき、給電点インピーダンスが高い。 5 長さ h が 3/8 波長のモノポールアンテナは、1/2 波長のモノポールアンテナと比較したとき、50〔Ω〕系の給電線と整合が取りやすい。
〔図省略〕の位置 — wavelane による再現図(公式図版ではありません)。図の説明は引用の下にあります。
〔図省略〕は Wavelane による編集注で、公式図版があった位置を示します。その位置には Wavelane が描いた再現図を差し込んでいます(公式図版ではありません)。図の説明は下の図カードにあります。
Wavelane が原図をもとに描いた模式図(公式図版ではありません)
出典: 令和2年1月期 第一級陸上無線技術士「無線工学B」(FB201)A-12(本試験問題)。公益財団法人日本無線協会
解かずに正答と解説を見る
正答: 3
要確認: この正答と解説は、公式解答表との機械的な照合は済んでいますが、人による照合はまだです。 公式と食い違って見えるときは、出典の解答PDFを優先し、サポートからお知らせください。
wavelane の解説(公式の解説ではありません)
導体のきょう体に立てたモノポールの長さを1/4・3/8・1/2波長で比べる問題。半波長では給電点が電流の節になるので、きょう体へ流れ込む電流はむしろ小さい。
選択肢 1— 答えではない
正しい。長さが変わると素子上の電流分布が変わり、給電点インピーダンスも放射パターンも変わる。
選択肢 2— 答えではない
正しい。半波長の素子は単体で共振して放射するので、きょう体を電流の帰り道としてあまり使わない。そのため、きょう体の寸法や持つ手の影響を受けにくい。
選択肢 3◎ これが答え
誤っている。半波長の素子は給電点が電流の節になり、きょう体へ流れる電流は小さい。1/4波長の素子は給電点が電流の腹になるので、きょう体に大きな電流が流れ、きょう体も放射の一部を担う。大小が逆である。
選択肢 4— 答えではない
正しい。電流の節で給電すると、電圧に対して電流が小さいのでインピーダンスは高くなる。1/4波長では電流の腹で給電するので数十 Ω と低い。
選択肢 5— 答えではない
正しい。3/8波長は給電点が電流の腹と節の中間に当たり、インピーダンスが半波長ほど高くならないので、50 Ω 系の給電線と整合を取りやすい。
正答は選択肢 3 である。
つまずきやすい点
- 長い素子ほど大きな電流が流れる、と素朴に考えない。大事なのは給電点が電流分布のどこに当たるかである。
- インピーダンスが高い(選択肢4)ことと、きょう体電流が小さい(選択肢3の逆)ことは同じ理由から出る。片方を正しいとしたなら、もう片方も同じ向きで考える。