一陸技|無線工学B|過去問
平成31年1月期 B-4
要点(wavelane の要約): マイクロ波の対流圏での曲がり方について、標準大気での電波の通り道の曲がる向き、地球の曲率を平面へ直す修正屈折率の式に入る量、修正屈折示数の作り方、直線になる標準の曲線の呼び名、ダクトを作る大気の層を語群から選ばせる問題。
原文(公式問題文)
B-4 次の記述は、マイクロ波(SHF)帯の電波の対流圏伝搬について述べたものである。[ ]内に入れるべき字句を下の番号から選べ。なお、同じ記号の[ ]内には、同じ字句が入るものとする。 (1) 標準大気において、大気の屈折率 n は地表からの高さとともに減少するから、標準大気中の電波通路は、送受信点間を結ぶ直線に対して[ ア ]わん曲する。 (2) 実際の大地は球面であるが、これを平面大地上の伝搬として等価的に取り扱うために、m = n+(h/R) で与えられる修正屈折率 m が定義されている。ここで、h〔m〕は地表からの高さ、R〔m〕は地球の[ イ ]である。m は 1 に極めて近い値で不便なので、修正屈折示数 M を用いる。M は、M = [ ウ ]×10^6 で与えられ、標準大気では地表からの高さとともに増加する。 (3) 標準大気の M 曲線は、図 1 に示すように勾配が一定の直線となる。この M 曲線の形を[ エ ]という。 (4) 大気中に温度などの[ オ ]層が生ずるとラジオダクトが発生し、電波がラジオダクトの中に閉じ込められて見通し距離より遠方まで伝搬することがある。このときの M 曲線は、図 2 に示すように、高さのある範囲で[ エ ]とは逆の勾配を持つ部分を生ずる。
〔図省略〕の位置 — wavelane による再現図(公式図版ではありません)。図の説明は引用の下にあります。
1 半径 2 逆転 3 下方に凸に 4 (m-1) 5 接地形 6 上方に凸に 7 (m+1) 8 標準形 9 等価半径 10 均一
〔図省略〕は Wavelane による編集注で、公式図版があった位置を示します。その位置には Wavelane が描いた再現図を差し込んでいます(公式図版ではありません)。図の説明は下の図カードにあります。
Wavelane が原図をもとに描いた模式図(公式図版ではありません)
出典: 平成31年1月期 第一級陸上無線技術士「無線工学B」(FB101)B-4(本試験問題)。公益財団法人日本無線協会
解かずに正答と解説を見る
正答: ア 6/イ 1/ウ 4/エ 8/オ 2
要確認: この正答と解説は、公式解答表との機械的な照合は済んでいますが、人による照合はまだです。 公式と食い違って見えるときは、出典の解答PDFを優先し、サポートからお知らせください。
wavelane の解説(公式の解説ではありません)
標準大気での電波の曲がり方と、修正屈折率・修正屈折示数 M の定義、M 曲線の形の呼び名、ラジオダクトを作る大気の層を語群から選ぶ。
- ア: 解答 6(上方に凸に)
- 屈折率が上ほど小さいので、電波は屈折率の大きい下側へ引き寄せられて地球の方へ曲がる。送受信点を結ぶ直線から見ると、通り道は上へふくらんだ形になる。
- イ: 解答 1(半径)
- 修正屈折率の式の h/R は、地球の丸みを屈折率の側へ移して大地を平面として扱うための項で、R は実際の地球の半径である。等価地球の半径ではない。
- ウ: 解答 4((m−1))
- 修正屈折率 m は1にごく近いので、1を引いて 10⁶ 倍した値を M とする。1を足すと値が200万近くになり、扱いやすくする目的に合わない。
- エ: 解答 8(標準形)
- 標準大気では M が高さとともに一定の割合で増えるので、M 曲線は傾きが一定の直線になる。この形を標準形と呼ぶ。
- オ: 解答 2(逆転)
- 上空ほど気温が高い逆転層などができると、ある高さの範囲で M が高さとともに減り、電波がその層の中に閉じ込められるラジオダクトになる。
ア〜オの解答は 6・1・4・8・2 である。
つまずきやすい点
- アは「地球の方へ曲がる」ことと「直線に対して上に凸」が同じことを言っている。下方に凸と答えるのが定番の誤りである。
- イの R を等価地球半径(kR)と取り違えない。等価地球半径は屈折の効果を地球の側へ移した見方で、修正屈折率とは逆の操作である。
理由から確かめる
- 伝搬の特論等価地球半径係数k・修正屈折率・修正屈折示数M・ラジオダクト・屈折率
- 電波の見通し距離等価地球半径係数k・修正屈折率・修正屈折示数M・屈折率
- 電離層伝搬(MUF・跳躍距離)屈折率