一陸技|無線工学B|過去問
平成30年1月期 B-1
要点(wavelane の要約): 同じ半波長の素子2本を並べて同じ電流で給電したアンテナ系について、入力インピーダンスを自己と相互のインピーダンスで書いた式、基準の素子1本と2本の系それぞれの「電界の2乗÷電力」、その比で表した利得、相互抵抗を変える要因を語群から選ばせる問題。FB701 B-1 と同じ題材で、語群が違う。
原文(公式問題文)
B-1 次の記述は、図に示すように、同一の半波長ダイポールアンテナ A 及び B で構成したアンテナ系の利得を求める過程について述べたものである。[ ]内に入れるべき字句を下の番号から選べ。ただし、アンテナ系の相対利得 G (真数)は、アンテナ系に電力 P〔W〕を供給したときの十分遠方の点 O における電界強度を E〔V/m〕とし、このアンテナと置き換えた基準アンテナに電力 P0〔W〕を供給したときの点 O における電界強度を E0〔V/m〕とすれば、次式で与えられるものとする。なお、同じ記号の[ ]内には、同じ字句が入るものとする。 G = (|E|²/P)/(|E0|²/P0) = M/M0 ・・・・・・① ただし、M = |E|²/P、M0 = |E0|²/P0 とする。 (1) アンテナ A 及び B の入力インピーダンスは等しく、これを Zi〔Ω〕、自己インピーダンスと相互インピーダンスも等しく、これらをそれぞれ Z11〔Ω〕、Z12〔Ω〕とすれば、Zi は、次式で表される。 Zi = [ ア ]〔Ω〕 ・・・・・・② (2) アンテナ A と同一の半波長ダイポールアンテナを基準アンテナとして、給電点の電流を I〔A〕、Z11 の抵抗分を R11〔Ω〕とすれば、M0 は、次式で表される。 M0 = [ イ ] ・・・・・・③ (3) アンテナ A 及び B にそれぞれ I を供給すれば、M は、次式で表される。ただし、Z12 の抵抗分を R12〔Ω〕とする。 M = [ ウ ] ・・・・・・④ (4) 式③と④を式①へ代入すれば、アンテナ系の相対利得 G は、次式によって求められる。 G = [ エ ] ・・・・・・⑤ (5) 式⑤において、R11 は一定値であるから、G は R12 のみの関数となる。R12 の値は[ オ ]によって変わるので、[ オ ]の大きさにより G を変えることができる。
〔図省略〕の位置 — wavelane による再現図(公式図版ではありません)。図の説明は引用の下にあります。
1 Z11 + 2Z12 2 |E0|²/(R11|I|) 3 |2E0|²/(2(R11+R12)|I|²) 4 d 5 2R11/(R11+R12) 6 |E0|²/(R11|I|²) 7 Z11 + Z12 8 |E0|²/(2(R11+R12)²|I|²) 9 I 10 R11/(R11+2R12)
〔図省略〕は Wavelane による編集注で、公式図版があった位置を示します。その位置には Wavelane が描いた再現図を差し込んでいます(公式図版ではありません)。図の説明は下の図カードにあります。
Wavelane が原図をもとに描いた模式図(公式図版ではありません)
出典: 平成30年1月期 第一級陸上無線技術士「無線工学B」(FB001)B-1(本試験問題)。公益財団法人日本無線協会
解かずに正答と解説を見る
正答: ア 7/イ 6/ウ 3/エ 5/オ 4
要確認: この正答と解説は、公式解答表との機械的な照合は済んでいますが、人による照合はまだです。 公式と食い違って見えるときは、出典の解答PDFを優先し、サポートからお知らせください。
wavelane の解説(公式の解説ではありません)
同じ半波長ダイポール2本に同じ電流を流したアンテナ系の利得を、「電界の2乗÷電力」の比で求める。電界は2倍になるが、電力は相互抵抗の分も含めて 2(R₁₁+R₁₂)|I|² になる。
- ア: 解答 7(Z11 + Z12)
- 一方の素子の給電点の電圧は、自分の電流による分(Z₁₁I)と、もう一方の素子の同じ電流による分(Z₁₂I)の和である。電流で割ると入力インピーダンスは自己と相互の和になる。
- イ: 解答 6(|E0|²/(R11|I|²))
- 基準アンテナ1本に電流 I を流したときの電力は R₁₁|I|² である。電界の2乗をこの電力で割る。電流を2乗しない語は単位が合わない。
- ウ: 解答 3(|2E0|²/(2(R11+R12)|I|²))
- 遠方の点では2本の電界が同じ位相で重なり 2E₀ になる。供給電力は1本あたり (R₁₁+R₁₂)|I|² で、2本分を足す。
- エ: 解答 5(2R11/(R11+R12))
- ウをイで割ると |E₀|² と |I|² が消え、4R₁₁/(2(R₁₁+R₁₂)) = 2R₁₁/(R₁₁+R₁₂) が残る。
- オ: 解答 4(d)
- R₁₁ は素子1本で決まる定数なので、利得を変えるのは R₁₂ だけである。相互抵抗は2本の素子の間隔で大きさも符号も変わるので、間隔を選べば利得を変えられる。
ア〜オの解答は 7・6・3・5・4 である。
つまずきやすい点
- アで Z₁₁+2Z₁₂ を選ぶと、相手の素子を2本と数えたことになる。素子は2本で、相手は1本だけである。
- エで R₁₁/(R₁₁+2R₁₂) を選ぶのは、ウの電界を2倍にし忘れたときに出る形である。同相で重なる2本の電界は足し算になる。
理由から確かめる
- アンテナの基礎アンテナ利得・電界強度・半波長ダイポールアンテナ・入力インピーダンス
- アンテナ方式図鑑アンテナ利得・電界強度・半波長ダイポールアンテナ・入力インピーダンス
- アンテナの指向性パターンアンテナ利得・電界強度・半波長ダイポールアンテナ