一陸技|無線工学B|過去問
令和5年1月期 第1回 A-14
要点(wavelane の要約): 市街地の移動通信で、速い変動が速くなる移動の条件、区間の中央値がどの統計分布に従うか、到来時間の差で帯域内の変動がそろわないときのフェージングの呼び名、その影響が小さい伝送の帯域を組合せで答えさせる問題。FB801 A-17 と同じ題材で、空欄の切り方が違う。
原文(公式問題文)
A-14 次の記述は、陸上の移動体通信の電波伝搬特性について述べたものである。[ ]内に入れるべき字句の正しい組合せを下の番号から選べ。 (1) 基地局から送信された電波は、陸上移動局周辺の建物などにより反射、回折され、定在波を生じ、この定在波中を移動局が移動すると、受信波にフェージングが発生する。この変動は瞬時変動といわれ、レイリー分布則に従う。一般に、周波数が高いほど、また移動速度が[ A ]ほど変動が速いフェージングとなる。 (2) 瞬時変動の数十波長程度の区間での中央値を短区間中央値といい、基地局からほぼ等距離の区間内の短区間中央値は、[ B ]に従い変動し、その中央値を長区間中央値という。長区間中央値は、移動局の基地局からの距離を d とおくと、一般に Xd^(-α) で近似される。ここで、X 及び α は、送信電力、周波数、基地局及び移動局のアンテナ高、建物高等によって決まる。 (3) 一般に、移動局に到来する多数の電波の到来時間に差があるため、帯域内の各周波数の振幅と位相の変動が一様ではなく、[ C ]フェージングを生ずる。[ D ]伝送の場合には、その影響はほとんどないが、一般に、高速デジタル伝送の場合には、伝送信号に波形ひずみを生ずることになる。多数の到来波の遅延時間を横軸に、各到来波の受信レベルを縦軸にプロットしたものは伝搬遅延プロファイルと呼ばれ、多重波伝搬理論の基本特性の一つである。 A B C D 1 速い 対数正規分布則 周波数選択性 狭帯域 2 速い 指数分布則 跳躍性 狭帯域 3 遅い 対数正規分布則 周波数選択性 広帯域 4 遅い 対数正規分布則 跳躍性 狭帯域 5 遅い 指数分布則 跳躍性 広帯域
出典: 令和5年1月期 第1回 第一級陸上無線技術士「無線工学B」(FB501)A-14(本試験問題)。公益財団法人日本無線協会
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正答: 1
要確認: この正答と解説は、公式解答表との機械的な照合は済んでいますが、人による照合はまだです。 公式と食い違って見えるときは、出典の解答PDFを優先し、サポートからお知らせください。
wavelane の解説(公式の解説ではありません)
移動速度が速いほど定在波の中を速く横切るので、瞬時変動は速くなる。短区間中央値は対数正規分布に従い、到来時間差は周波数選択性フェージングを起こすが、狭帯域の伝送ではほとんど効かない。
- 空欄 A: 速い
- 定在波の山と谷は半波長ごとに並ぶので、速く動くほど単位時間に通る山と谷の数が増え、変動が速くなる。
- 空欄 B: 対数正規分布則
- 数十波長で均した中央値は、建物などの遮へいの重なりで変わり、デシベル値が正規分布する対数正規分布に従う。
- 空欄 C: 周波数選択性
- 到来時間の違う波が重なると、帯域内の周波数ごとに強め合い・弱め合いが違ってくる。これが周波数選択性フェージングである。
- 空欄 D: 狭帯域
- 帯域が狭ければ帯域内の周波数がほぼ同じように変動するので、選択性の影響はほとんど出ない。広帯域・高速の伝送で波形ひずみが問題になる。
この組合せになっているのは選択肢 1 である。
つまずきやすい点
- 跳躍性フェージングは短波の電離層伝搬で起きる別の現象で、移動通信のマルチパスの話には出てこない。
- FB801 A-17 は分布則の名前と中央値の呼び名を問い、この期は移動速度と帯域を問う。同じ題材でも空欄の位置が違う。
理由から確かめる
- 伝搬の特論伝搬遅延プロファイル・周波数選択性フェージング・対数正規分布則の中央値変動・レイリー分布則の瞬時変動