一陸技|無線工学B|過去問
令和5年1月期 第1回 A-1
要点(wavelane の要約): 時間微分で書いた電界と磁界の基本2式へ正弦的な変化を入れ、左辺に置く微分演算子と、時間微分が角周波数に置き換わった右辺の形2つを組合せで答えさせる問題。FB707 A-1 と同じ題材で、2式の並び順と選択肢の並びが違う。
原文(公式問題文)
A-1 次の記述は、マクスウェルの方程式について述べたものである。[ ]内に入れるべき字句の正しい組合せを下の番号から選べ。ただし、媒質は均質、等方性、線形、非分散性とし、誘電率を ε〔F/m〕、透磁率を μ〔H/m〕、及び導電率を σ〔S/m〕とする。また、対象の領域には、印加電流はないものとする。なお、同じ記号の[ ]内には、同じ字句が入るものとする。 (1) 電界 E〔V/m〕と磁界 H〔A/m〕に関するマクスウェルの方程式は、時間を t〔s〕とすると、次式で表される。 [ A ] E = -μ ∂H/∂t ・・・・・① [ A ] H = σE + ε ∂E/∂t ・・・・・② (2) H と E が共に角周波数 ω〔rad/s〕で正弦的に変化しているとき、H と E は、それぞれ次式で表される。 H = H₀ e^(jωt) ・・・・・③ E = E₀ e^(jωt) ・・・・・④ ここで、H₀、E₀ は、時間に依存しない定数とする。 (3) 式③を式①へ代入すると、次式が得られる。 [ A ] E = [ B ] ・・・・・⑤ 式④を式②へ代入すると、次式が得られる。 [ A ] H = [ C ] ・・・・・⑥ A B C 1 ∇・ jωμE (σ+jωε)H 2 ∇・ jωμE (σ-jωε)H 3 ∇× -jωμE (σ+jωε)H 4 ∇× -jωμH (σ+jωε)E 5 ∇× jωμH (σ-jωε)E
出典: 令和5年1月期 第1回 第一級陸上無線技術士「無線工学B」(FB501)A-1(本試験問題)。公益財団法人日本無線協会
解かずに正答と解説を見る
正答: 4
要確認: この正答と解説は、公式解答表との機械的な照合は済んでいますが、人による照合はまだです。 公式と食い違って見えるときは、出典の解答PDFを優先し、サポートからお知らせください。
wavelane の解説(公式の解説ではありません)
電界と磁界の基本2式はどちらも回転(∇×)で書く。時間変化を e^(jωt) とおくと時間微分は jω を掛けることになるので、電界の式の右辺は −jωμH、磁界の式の右辺は (σ+jωε)E になる。
- 空欄 A: ∇×
- ファラデーの法則と拡張されたアンペアの法則は、場がどれだけ渦を巻くかを表す式なので回転で書く。発散(∇・)は電荷や磁荷の湧き出しを表す別の2式に使う。
- 空欄 B: −jωμH
- 式①の ∂H/∂t に H₀e^(jωt) を入れると jωH になるので、右辺は −μ×jωH である。磁界の式なのに E が入る選択肢は誤り。
- 空欄 C: (σ+jωε)E
- 式②の右辺は伝導電流 σE と変位電流 ε∂E/∂t の和で、時間微分が jω になるので (σ+jωε)E とまとめられる。
この組合せになっているのは選択肢 4 である。
つまずきやすい点
- FB707 A-1 とは2式の並び順が逆で、⑤が電界の式、⑥が磁界の式になっている。右辺に来る場は左辺と反対の場である。
- 変位電流の項の符号を −jωε とすると選択肢5を選んでしまう。時間微分は +jω を掛けるだけである。
理由から確かめる
- マクスウェルの方程式 徹底解説拡張されたアンペアの法則・変位電流・ファラデーの法則・マクスウェルの方程式