一陸技|無線工学B|過去問
令和4年7月期 第2回 B-4
要点(wavelane の要約): フェージング対策として複数の経路で受ける方式について、アンテナを離して置く向き、受信点どうしの変動の相関と効果の関係、偏波をずらす方式が効く変動の種類と構成、周波数をずらす方式の原理を、記述ごとに正誤で答えさせる問題。
原文(公式問題文)
B-4 次の記述は、ダイバーシティ方式について述べたものである。このうち正しいものを 1、誤っているものを 2 として解答せよ。 ア スペース(空間)ダイバーシティには、受信ダイバーシティと送信ダイバーシティがある。このうち受信ダイバーシティとは、電波の伝搬方向と同一の方向に数波長以上離した 2 基以上のアンテナを使用して受信する方式のことである。 イ スペース(空間)ダイバーシティの効果は、異なる受信点間の電界強度変動の相関が大きいほど小さい。 ウ 偏波ダイバーシティは、主にダクト性フェージングの影響を軽減するのに有効である。 エ 偏波ダイバーシティの効果は、同じ受信点に直交する偏波面を持つ 2 つのアンテナを設置して、それらの出力を合成するか、あるいは、出力の大きな方のアンテナに切り替えることによって得られる。 オ 周波数ダイバーシティは、周波数が異なると、フェージングの状態が異なることを利用した方式である。
出典: 令和4年7月期 第2回 第一級陸上無線技術士「無線工学B」(FB408)B-4(本試験問題)。公益財団法人日本無線協会
解かずに正答と解説を見る
正答: ア 2/イ 1/ウ 2/エ 1/オ 1
要確認: この正答と解説は、公式解答表との機械的な照合は済んでいますが、人による照合はまだです。 公式と食い違って見えるときは、出典の解答PDFを優先し、サポートからお知らせください。
wavelane の解説(公式の解説ではありません)
ダイバーシティ方式の種類と効き方を記述ごとに確かめる。落ち込みが同時に起きにくい経路ほど効果が大きく、何をずらすかで方式が分かれる。
- ア: 解答 2(誤っている)
- 誤っている。受信側の空間ダイバーシティでは、2基以上のアンテナを高さ方向(伝搬方向と直角な垂直方向)に数波長以上離して置く。伝搬方向へ並べても、直接波と反射波の干渉の状態はほとんど変わらない。
- イ: 解答 1(正しい)
- 正しい。2つの受信点の変動がそろって起きるなら、片方が落ち込んだときにもう片方も落ち込むので、切り替えても救えない。相関が小さいほど効果が大きく、大きいほど効果は小さい。
- ウ: 解答 2(誤っている)
- 誤っている。偏波ダイバーシティが効くのは、偏波面が回転して受信レベルが変わる偏波性のフェージングである。ラジオダクトによる変動には、アンテナの位置や周波数をずらす方式が使われる。
- エ: 解答 1(正しい)
- 正しい。1か所に、偏波面が直交する2本のアンテナを置き、その出力を合成するか大きいほうへ切り替える。設置場所を広げずに済むのが利点である。
- オ: 解答 1(正しい)
- 正しい。十分離れた2つの周波数では、干渉による落ち込みの位置が違うので、同じ時刻に両方が落ち込みにくい。これを利用して同じ信号を2つの周波数で送るのが周波数ダイバーシティである。
ア〜オの解答は 2・1・2・1・1 である。
つまずきやすい点
- 空間ダイバーシティのアンテナは上下に離す。高さを変えると直接波と反射波の行路差が変わるからである。
- 相関が大きいほど効果は小さい。「相関が大きいほど効く」と逆にした記述が定番の誤りである。
理由から確かめる
- 伝搬の特論ダイバーシティ受信・ラジオダクト